野生のニホンザルが暮らす小さな島
串間市では都井岬の岬馬だけでなく、野生のニホンザルも間近に観察することができます。
ニホンザルが暮らすのは「日本の渚百選」にも選ばれている美しい石波海岸の沖合にある小さな離島。幸せな島と書いて”こうじま”とよびます。幸島は、ほぼ全域が常緑広葉樹と照葉樹林におおわれた無人島で、約100匹のニホンザルが悠々自適に暮らす、まさにサルたちの楽園。島全体が国の天然記念物に指定されており、実は、ここに住むニホンザルは”文化を持つサル”として世界的に有名です。
サル同士のシンクロニシティ。通称「百匹目の猿現象」
ある行動をしたことから世界的に有名になった幸島のサル。それが「海水での芋洗い」です。
離島に住むサルは、その存在自体がめずらしく、戦後まもなく研究対象に。その際、餌付けとして与えられたのがサツマイモです。研究が進む中での1953年「イモ」と名付けられた1匹のメスザルがサツマイモを海水で洗って食べる様子が発見されました。島に住むサルの社会の中では初めての行動で、10年ほど経つと海水での芋洗いは群れ全体に広がり不思議なことに遠く離れたサルの群れまでが同じ行動をはじめたそう…!! ある行動や考えなどが一定数を超えると、接触のない同類の仲間に伝播する“百匹目の猿現象”として有名な話になりましたが、その真相は定かではありません。ただ、今でも幸島のサルが芋を洗って食べることは紛れもない事実!
渡し船で島へ上陸!冒険感を味わおう
幸島へは、渡し船を使って渡ります。わずか5分ほどの船旅ですが、子どもはもちろん、大人もワクワクする時間です。島の浜辺では、毛繕いをする様子や子猿が母猿に甘える仕草、のんびりお昼寝をする姿など、いろんな表情のサルたちを見ることができます。
観察をする際に気をつけてほしいのは、不用意に近づいたり触ったりしないこと。そして、目を合わさないこと。餌を与えることも禁止されているので、ご注意を。万が一、威嚇されたら知らんぷり!適度な距離感を保って、サルの観察を楽しんでみて。